殻斗果かくとかまたはどんぐり状果どんぐりじょうか(英: calybium)とは果実の1型であり、一部または全体が殻斗かくと(cupule, cupula)で覆われた堅果(果皮か堅く木化し1個の種子を含んだ非裂開果)のことである(図1)。ブナ科に見られる。殻斗とは総苞片(花の集まりの基部にある特殊化した葉)が合着変形した構造であり、ドングリのお椀やクリのいがとなる。

定義

果実のうち、堅く木化した果皮が1個の種子を包み、裂開しない果実は堅果とよばれる。ブナ科の堅果は、一部または全体が殻斗で覆われており、殻斗と合わせて殻斗果とよばれる。殻斗とは、花(雌花)の集まりの基部にある特殊化した葉(総苞片)が木化・合着した構造である。クリなどでは3個の堅果が(下図2a)、ブナなどでは2個の堅果が(下図2b)、スダジイなどでは1個の堅果が(下図2c)殻斗で完全に包まれているが、クヌギ、コナラ、シラカシなどでは1個の堅果の基部側のみが殻斗で包まれている(下図2d, e)。クリなどの殻斗はいがで覆われ(下図2a)、ブナやクヌギ、カシワ、アベマキなどでは苞の先端が癒合せずに殻斗がささくれており(下図2b, c)、コナラやマテバシイなどでは殻斗表面が鱗片状(下図2d)、シラカシやアラカシなどでは殻斗表面に環状模様(下図2e)を形成している。

ギャラリー

コナラ属コナラ亜属

コナラ属アカガシ亜属

クリ属

トゲガシ属

ノトリトカルプス属

ブナ属

マテバシイ属

ナンキョクブナ科ナンキョクブナ属

脚注

関連項目

  • ドングリ
  • 種実類 … 種子が食用とされるもののうち、穀類でも豆類でもないもの。クリなど殻斗果に加えて、アーモンドなどの核果の核、マツなどの種子が含まれる。食用部が堅い殻で包まれている果実、果実の一部または種子はナッツともよばれ、含まれるものは種実類とおおよそ重なる。

毛呂山の植物

2. 開花した殻斗の元になる器官と幼果の形態

毛呂山の植物

殻斗果 日本芸術メダル協会ホームページ

ウラジロガシ